みなさん「割れ窓理論」をご存じですか?
「ブロークンウィンドウ理論」とも呼ばれています。
環境犯罪学の理論です。
建物の窓が割れているのを放置すると、その周辺の窓も破られていくというもので
小さな犯罪を放置していると、重大犯罪につながるというものです。
「そんなの知ってるよ!」
という声が聞こえてきますが、日常生活の中でも活用できます。
私はクラス担任を持っているときは、常に意識していました。
今でも意識して教員をやっています。
今日は「割れ窓理論」を活用した学校改善についてお話しします。
「割れ窓理論」(「ブロークンウィンドウ理論」)の実践例
1994年にジュリアーニ氏はニューヨークの治安回復を公約に市長に当選しました。
当時、ニューヨークといえば殺人などの重犯罪が多いというイメージがありました。
実際に重犯罪が多かったようです。
そこで、市長に当選したジュリアーニ氏はニューヨーク地下鉄や町の落書きを消したり、万引きや違法駐車など軽犯罪を徹底的に取り締まることにより、重犯罪を激減させました。
私は10年以上前にこの理論を知ったときに
「これだ!」
と思いました。
クラス経営に「割れ窓理論」を適用してみた
学校は荒れていた
タバコや飲酒をはじめ、あまりここで書けないようなことまで、毎日のように生徒指導に追われていました。
とにかく生徒指導が途切れませんでした。
そこで何か良い方法はないかと思っていた時に出会ったのが「割れ窓理論」でした。
教室の整理整頓を徹底した
とにかく身の回りの整理整頓をさせました。
ゴミの投げ捨てをなくし、ロッカーや机の中を整理させました。
小さな服装や頭髪の乱れについても直させました。
この小さな声かけの積み重ねが大切なんですよね。
小さなことでも直させるには、生徒達を観察していなければできません。
結果、毎日のようにコミュニケーションをとることになります。
中には、わざと眉毛を少しだけいじってきます。
私が気づかないと不満そうなんですよね。
「先生、何か気づかないの?」
なんて自分から話してくるようになりました。
結果論かもしてませんが、生徒達との人間関係がよくなりました。
生徒達の小さな変化を見逃さない
生徒達の小さな変化に気づくためには、毎日観察していなくてはなりません。
毎日観察するには、生徒に対して興味がなければ続きません。
学校において、服装を良くさせたり、学校の美化を進めることにも意味がありますが、何より
「生徒達に興味を持つこと」
が重要です。
これは誰にでもできることです。
誰にも理解でき、実践できることは非常に有効な方法です。
もし、何かうまくいかないことがあったら、「割れ窓理論」を利用してみてください。