地方自治体が職員の採用に苦戦しています。
地方公務員の受験者数は7年連続で減少しているだけでなく、必要な職員数が増加傾向にあるため、競走倍率も大幅に低下しています。
この流れは教員採用試験と同じです。
公務員試験の「人物重視の選考」について考えます。
地方公務員の受験者数減少について
2018年度の総務省「地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果」によると地方公務員の受験者数は前年度より2万8436人減少し、46万9823人となりました。
前年度より5.7%の減少だそうです。
合格者は8万502人で前年度より444人増加しています。
一方で、採用者数は6万1454人で前年度より814人減少しています。
受験者数は減少し、合格者数は増加しています。
しかし、採用者数は減少している事になります。
教員採用試験と同じような状況ですね。
少子化も大きな原因の一つでしょう。
今年1月1日現在の20歳の若者は122万人に対し、昨年生まれた赤ちゃんは86万4000人です。
雇用状況は景気の動向にもよるので一概にはいえませんが、人口動向については調査の結果と大きく変わりません。
景気が悪くなると公務員の希望が増えるということがあります。
公務員の受験者数が減少しているということは、景気が良いということでしょうか・・・。
受験者数を増やすための「人物重視の選考」
受験者数を増やすためには広報活動も大切です。
仕事のやりがいや福利厚生などを充実をアピールすることになるのでしょう。
自治体によっては保護者に受験を促すことを行っているそうです。
ちょっと考えてしまいますが、これが現実です。
しかし、公務員受験の最大の障壁は、いわゆる公務員試験です。
一般教養はもちろん、憲法や民法などを学び、さらには経済や財政、刑法や商法など公務員試験のために勉強しなくてはならないことがたくさんあります。
また、数的処理などの特色のある試験から小論文、面接まで様々です。
そして何より民間企業と比べて、受験機会が少ないということがあります。
自治体の試験日が同じ地方で重なっています。
それを考えても、公務委員試験を受けるということは、それなりの覚悟が必要になります。
そこで人材を確保するために「人物重視の選考」を行うようになったのでしょう。
では、「人物重視の選考」とは何か。
要は、公務員試験のための専門的な試験を行わないということです。
教員採用試験と同じですよね。
一定条件をクリアしている人は、専門教科の試験や教職教養の試験が免除されるというものと同じです。
程よく言うならば、「人物重視の選考」と言うことになります。
教員採用試験と教育はどう変わるのか
教員採用試験は専門試験と教職教養はもちろん、小論文、個人面接、集団面接そして模擬授業と試験内容は多岐にわたります。
世の中の見る目も厳しくなり、より良い人材を採用したいということで、このような流れなのでしょう。
一方で、一定の条件を満たせば、筆記試験は免除され、いわゆる「人物重視の選考」になるようです。
採用試験とは異なりますが、大学入試もいろいろ問題は抱えてはいるものの変わりつつあります。
方向としては「人物重視の選考」に近い方向に進もうとしている気がします。
キャリアパスポートを作成し、自分の学習歴を記録していきます。
学校でも自分の学びや行動をポートフォリオに記録していきます。
こ
れから大学入試や就職試験においてもこれらの情報を活用していくことになるのではないかと思われます。
つまり、大学入試も就職試験も「人物重視の選考」となるのではないでしょうか。
何をもって「人物重視」なのか難しいところですが、これが時代の流れなのでしょうか。