人手不足で人材確保が難しいといわれています。
実際に、教員採用試験や公務員試験などでも人材を確保することに苦労しているようです。
少子高齢化による働き手の不足は、日本の社会問題ともなっています。
そんな環境の中で最近、「新卒採用の2021年問題」という言葉ができてました。
この問題について書きたいと思います。
「新卒採用の2021年問題」という言葉を聞いたことがありますか?
これは浜銀総合研究所の「Economic View <No.11>」「人手不足に拍車をかける『新卒採用の2021年問題』」というリポートで発表されたものです。
このリポートによると、近年横ばいで推移していた、大学を卒業して企業で働き始める人の人口が2022年度以降再び減少傾向に転じると見込まれるそうです。
企業は、2022年3月に卒業する大学生が就職活動を開始する2021年頃から徐々に採用内定者を確保しにくくなっていくと考えられます。
これを「新卒採用の2021年問題」といいます。
企業側の対策
働き方改革を進めていく必要がありそうです。
2021年まであとわずかしかありません
リクルートキャリア「就活白書2018」によると、内定を辞退した理由の上位は
①業種が志望と合わなかった(24.7%)
②給与水準が志望と合わなかった(22.2%)
③職種が志望と合わなかった(21.3%)
④勤務時間・休暇が志望と合わなかった(18.7%)
と続きます。
企業側は広範囲での働き方改革を迅速に進める必要がありそうです。
学生にとって有利な環境となるのか
「新卒採用の2021年問題」について考えると、学生にとって非常に有利になるように思われます。
しかし、必ずしも学生にとって有利になるとはならないようです。
今後、企業側は専門性を持った学生を採用するようになると考えられます。
これまで新卒を一括で採用し、企業で教育をしてきました。
これが、専門性を持った人材を中心に採用するようになると、人々はより待遇の良い企業へと転職するようになります。
すると転職が活発になります。
実際、トヨタは中途での採用を5割まで引き上げる予定です。
この結果、新卒の一括採用が徐々に消滅し、欧米型の労働市場に近づくことになります。
学生も今までのように、大学を卒業するだけでは就職することができなくなります。
「新卒採用の2021年問題」は必ずしも学生に有利には働かないようです。
最後に
「新卒採用の2021年問題」から考えられることは、これからの労働市場は採用する側も採用される側も互いに努力しなくてはいけないということです。
5GやAIなどの技術が進むことにより、社会は大きく変化していくでしょう。
その中で人材確保の競争が激しくなると同時に、働き手にとっても厳しい時代がやってくるようです。
浜銀総合研究所「Economic View <No.11>」
https://www.yokohama-ri.co.jp/html/report/pdf/ev011.pdf