教育を学校現場からアップデートする! 〜manabinoheya 〜

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高校において観点別評価を適切に行うことができるのか

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大学入試がゆれています。

英語の民家試験導入問題から共通テストの記述問題にいたるまで、落ち着くどころかさらに混乱してきています。

その中で、高校では令和4年度から評価の方法が変わります。

具体的には観点別評価が加わるのです。

これまでの評定までの評定に加え、3つの観点においてA、B、Cの3段階で評価するようになります。

今日は高校での観点別評価について考えます。

 

 

 

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学習評価が変わる

学習評価は、学校における教育活動の中で、生徒の学習状況を評価するものです。

 

現在、高校では1から5の5段階の「評定」で評価しています。

今は絶対評価です。

極端なはなし、全員が5になることもあるわけです。

 

一方、かつて用いられていた相対評価は、集団のなかで5の数は決まっています。

 

新たな評価方法にはこの「評定」による評価にくわえ、観点別評価が入ってきます。

 

「生徒にどういった力が身に付いたか」という学習の成果を的確に捉え、教師が指導の改善を図るとともに、生徒自身が自らの学習を振り返って次の学習に向かうことができるようにするためにも評価のあり方は重要です。

 

この観点別評価は今まで高校では行ってきませんでした。

 

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令和4年度(2022年度)から観点別評価が加わる

学力の三要素とは  

 1  知識・技能  

 2 思考力、判断力、表現力  

 3  学びに向かう力、人間性等

の3つです。

この3つの評価について考えます。

1「知識・技能」の評価

今までの「評価」において最も重視してきた観点ではないでしょうか。

 

各教科等における学習の過程を通した知識や技能の習得状況を評価します。

また、それまで身につけてきた知識や技能と関連付けたり活用したりする中で、他の学習や生活の場面でも活方できる力を評価します。

 

具体的な評価の方法としては、いわゆるペーパーテストで評価することが多いです。

事実的な知識の習得や知識の概念的な理解をペーパーテストで評価することが多いと思います。

 

100点満点で何点取れたかという評価の仕方が多いのではないでしょうか。

 

2「思考・判断・表現」の評価

各教科等の知識や技能を活用して課題を解決するなどのために必要な思考力、判断力、表現力などが身に付いているかを評価します。

 

ペーパーテストだけでなく、論述やレポートの作成、発表、グループでの話し合い、作品の制作や表現等の多様な活動などをを評価します。 

 

3「主体的に学習に取り組む態度」の評価

知識や技能を獲得したり、思考力、判断力、表現力等を身につけたりするために、自らの学習状況を把握し、学習の進め方について試行錯誤するなど自らの学習を調整しながら、学ぼうとしているかという意思的な側面を評価します。

 

この観点の評価が非常に難しいところです。

 

ノートやレポート等における記述、授業中の発言など教師が行動観察します。

さらに生徒による自己評価や相互評価等の状況を教師が評価するというのです。

客観性を担保した評価方法の研究が必要です。   

 

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高校現場で適切に「観点別評価」を行えるのか?  

将来的に「評定」が無くなるという話を耳にします。

つまり、各教科の評価は3つの観点別評価のみということになります。

しかもA、B、Cの3段階の評価です。

 

高校現場では進学や就職の際に、学校推薦を行うことがあります。

このとき用いられる指標の一つが評定です。

 

大学入試の推薦要件に評定がいくつ以上などのように用いられることもあります。

推薦枠が決まっている中で、誰を推薦するのか。

客観的に説明をする指標の一つとして評定が用いられている現実があります。

 

「観点別評価だけでこの作業が行えるのか?」

「生徒達や保護者に説明できるのか?」

 

高校現場にいる私としては少々不安です。

 

更に気がかりなことは、高校現場では観点別評価の導入についてあまり浸透していないことです。

 

もうすぐそこまで観点別評価の導入は迫っているのに他人事のようです。

この状況をから適切な評価方法について研究し、実施しなくてはいけません。

 

生徒達の学びを的確に評価し、教師が指導の改善を行い、生徒自身が自らの学習を振り返って次の学習に向かうことができるようにするための評価の実現を図りたいと考えています。

 

観点別評価の時代になると、ポートフォリオが必要になってくる気がします。

 

ポートフォリオは大学入試だけでなく就職にも再就職にも利用され、生涯にわたり活用するものになるのではないでしょうか。

 

このことについては別にお話ししたいと考えています。

 

 

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