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児童・生徒に「1人1台」のパソコンは必要か?

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文部科学省は19日、児童・生徒向けの「1人1台」の学習用端末と高速・大容量通信を一体的に整備する構想を発表した。通信環境は小中高・特別支援学校で2020年度までに、端末は小中学校で23年度までに実現を目指す。(2019.12.23読売オンライン)

生徒達1人1台のパソコンを整備してくれるのはありがたいですよね。

来年度の教育予算における約5%を情報機器関係にあてるというわけです。

大胆な決定です。

果たして、現場はどのように変化するのでしょうか。

 

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どのような端末を整備する予定なのか

ノートPC

持ち運びができるのは、非常に便利です。

 

最近のノートPCは驚くほど小さくて軽いですよね。

でも、小学校低学年にはかなり大きな荷物になります。

また、持ち運びが出来る分、壊しやすいですよね。

 

私も先日、購入したばかりのノートPCをアスファルトに落としました。

ケースに入れておいたので、少しへこんだ程度で済みました。

最近のPCは頑丈なんですね。

 

しかし、丈夫であったとしても、小学生が落とす可能性は高いです。

大人でも落とすのに・・・。

 

修理代も馬鹿になりません。

修理には保証が効いたとしても、修理の期間、授業が困ります。

 

最大の心配事は、誰かが持って帰らないのかということです。

事務用ノートPCのようにデスクにワイヤーで繋ぐという方法もあります。

これだと「ノートPC」の良さが生きないですね。

 

デスクトップPC

いわゆる情報処理室やパソコン室のような部屋を準備する必要があります。

 

少子化が進んでいます。

空き教室も多くあるでしょう。

教室の数は足りる学校も多いかもしれません。

 

でも、現実的ではないですよね。

 

ホームルームの教室の他に、パソコン用の部屋を設けることになります。

単純に、端末を購入するというだけのコストだけでは済みません。

現在より教室が、倍の数必要になることになります。

 

情報機器を整備するどころの話ではなくなります。

この点からも現実的ではありません。

 

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タブレット

持ち運びや収納を考えると、最も現実的に思えます。

 

現実的な中でも、タブレットの心配な点を挙げてみます。

 

まず、管理が大変そうです。
これは、全て同じではあります。

 

持ち運びが楽であるということは、それだけ外へ持ち出しやすいことになります。

タブレットを用いて、家で勉強したり、ポートフォリオを入力したりすることを考えると心配は要らないのかもしれません。

 

しかし、管理の方法とその責任の帰属は、どこにあるのか揉めそうですね。

また、バッテリー問題があります。

これは上のどの場合にも当てはまります。

 

授業で利用しようと思ったら、バッテリーが切れているなんてことありそうですよね。

みんなで充電するだけのコンセントはあるのでしょうか?

別の教室整備が必要になるのかもしれません。

 

 

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誰が管理するのか

この問題は非常に深刻です。

 

各学校には情報関係が専門の先生は多くはありません。

仮に、情報関係の知識が豊富であったとしても、自分の専門教科や部活動などを抱えながら、生徒全員の情報端末を管理するのは並大抵のことではありません。

1〜2クラス分の生徒用端末と教職員用の情報端末を管理するだけでも大変です。

担当の先生は、熱心であればあるほど疲弊しています。

 

生徒全員の管理となると、想像を絶する仕事量となります。

ましてや、情報専門の先生は多くないときています。

 

臨時免許で凌いでいる学校も少なくないのが現状です。

外注するだけの予算があるとは思えません。

 

また、情報端末を管理する人を新たに採用するなんてことは、更に考えにくいです。

そして、この社会環境において、情報関係の教員になろうと思うでしょうか?

はるかに待遇が良いという企業の求人も多いと思われます。

 

国は、どのように端末を管理することを想定して予算を組んでいるのでしょうか?

 

 

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端末の更新は計画されているのか

情報端末は更新が必要となります。

 

現在の状況だと、5年前後で更新していく必要があるのではないかと思われます。

予算をつけて頂くのはありがたいですが、更新のことも考えているのでしょうか?

一回購入すれば、あと何十年も使えるというものではありません。

そこまで考えていて欲しいです。

 

リース契約補いう方法も、最近多くなってきています。

リースだと継続的な予算計画が必要です。

その場での思いつきや都合で予算をつけられると、困ることが起きるかもしれません。

 

「1人1台」と焦らずに、徐々に増やしても良いのではと思います。

 

「1人1台」というと、確かにインパクトはありますよね。

それが狙いなのでしょうか?

でも、それがほとんど全てなのではないか、と思ってしまうところがあります・・・。

 

 

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ソフトウエアはどうなるの?

言い古された言葉かもしれませんが、パソコンは、それだけではただの箱です。

 

ソフトウエアがあって初めて機能します。

ソフトウエアは当然無料ではありません。

そこまで考えられているのでしょうか。

 

各教科で利用するソフトは、安くないものもあるはずです。

最近は、ネット環境さえ整っていれば、YouTubeやgoogleでかなりの情報を得ることができます。

有料のソフトウエアを、必ずしも利用する必要はないのかもしれません、

でも、最低限のものは揃えて欲しいと思います。

 

5Gに対応できるのか 

2020年春から、5Gが始まるとされています。

 

スマートフォンは5G回線を利用するためには、専用端末が必要になるそうです。

タブレットやノートPCなどの情報端末はどうなのでしょうか。

 

5Gの時代になると、劇的に世の中が変わるとされています。

国をあげて学校に情報端末を導入しようとしているわけです。

5G環境を使えないのでは、あまりにもったいないです。

 

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周辺機器は整備されるのか?

周辺機器も必要ですよね。

 

最近、必要性を感じているのは、プロジェクターとスクリーンです。

これがなかなか整備されません。

 

また、この時代を考えると、Wi-Fi環境を整えることも必要です。

多くの生徒達が同時に接続することを考えると、家庭で用いているような機器では対応できません。

当然、予算が必要です。

 

また、更に管理する人の負担が増えます。

そして、今以上にセキュリティーは大きな問題になってきます。

「難しいから、導入すべきでない」

 という考えを、私は持っていません。

 

しかし、今挙げたようなこと以外にも課題はあるはずです。

全てクリアーしているのでしょうか?

 

最後に

何度も言いますが、情報端末やその周辺機器を整備して頂くのはありがたいと思います。

 

しかし、予算には限りがあります。

 

現場で必要なものを買えるようにしていただけるとありがたいです。

 

現在の状況でにおいて、生徒1人1台のパソコンは必要ありません。

 

使いきれないはずです。

 

それよりも早急に、教室へのプロジェクター、スクリーンそしてWi-Fi環境を整えていただきたいです。

もちろん、電子黒板でもよいと思います。

 

政治の道具にだけはしてもらいたくありません。

 

 

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