今年の4月から同一労働同一賃金が始まります。
「変わるのはわかるけど、具体的に何がどう変わるの?」
と、思っていたら、大手の人材派遣会社で「派遣料の1〜2割値上げ」というニュースが出てきました。
具体的な変更の内容と教員を含めたその影響について考えます。
同一労働同一賃金
同一労働同一賃金とは、正社員と非正規社員で業務内容に差がない場合、基本給、昇給、ボーナス、手当、教育訓練、福利厚生に至るまで不合理な格差を解消しようというものです。
つまり、現状は不合理な格差があるということですよね。
しかし、4月より同一労働同一賃金の取り組みが開始され、全国約140万人の派遣社員の方も対象になります。
ただし、違反しても罰則はないそうです。
罰則はなくていいんですかね?
同一労働同一賃金は企業にとってかなり負担です。
この負担に耐えられない企業に対する配慮なのでしょうか。
わからなくもないですが、徹底されないことにより被害を受ける派遣社員の方も出てくるはずです。
派遣社員の方にとって、良い方法はあるのでしょうか?
違反した場合、派遣社員は損害賠償の請求を行うことができます。
しかし、損害賠償を請求する労力と費用を考えると、利用することは少なそうです。
被害者を救済する公的な団体が必要そうです。
○このガイドラインは、正社員(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(パートタイム労働者・有期雇用 労働者・派遣労働者)との間で、待遇差が存在する場合に、いかなる待遇差が不合理なものであり、いかなる待遇差 は不合理なものでないのか、原則となる考え方と具体例を示したもの。
○ 基本給、昇給、ボーナス(賞与)、各種手当といった賃金にとどまらず、教育訓練や福利厚生等についても記載。
○ このガイドラインに記載がない退職手当、住宅手当、家族手当等の待遇や、具体例に該当しない場合についても、 不合理な待遇差の解消等が求められる。このため、各社の労使により、個別具体の事情に応じて待遇の体系について 議論していくことが望まれる。
大手人材派遣会社の対応とは
大手の人材派遣会社は、派遣料金を引き上げる予定だそうです。
2割程度の引き上げを行う会社や、交通費分の他に時給100円程度の値上げを行う会社もあります。
当然、顧客企業は値上げを求められます。
対応できるのでしょうか。
もちろん対応してもらわなくては困るわけですが、応じられない企業もあるはずです。
罰則が無いので、強引に現行のまま突き進むなんて企業もあるかもしれません。
訴訟の労力と費用を考えれば・・・。
あまり考えたく無いですね。
そこで、値上げに応じられない企業は派遣社員受け入れを辞めるかもしれません。
すると、企業では派遣社員の方が行っていた業務を分担しなければなるでしょう。
残業時間が増えそうです。
企業経営者は、働き方改革との兼ね合いを考えても難しい舵取りになりそうです。
教員はどうなる?
非常勤の先生たちは、授業の時間数に応じて給料が支払われます。
つまり、アルバイトです。
それなので、授業のない夏休みや冬休みなどの長期休業中は無収入となります。
当然、これだけでは生活できません。
厳しい状況だと思います。
では、同一労働同一賃金において教員は何が変わるのでしょうか?
「変わる」という話は今のところ聞いていません。
変わらないのでしょうか?
各自治体で授業1時間あたりの給料は決まっています。
正規で働いている教員の給料から「授業1時間当たりの給料」×「授業数」を引いた金額が、教員の授業以外の校務に対する給料となります。
このようにして、教員の業務内容に対する給料を計算していくと同一労働同一賃金が実現できるのでしょうか。
同一労働同一賃金を突き詰めていくと、部活動に対する手当が問題になりそうです。
同一労働同一賃金を突き詰めていくと、給特法との兼ね合いが出てきそうです。
何か変化があるのでしょうか。