先日「教員免許が失効したまま授業をしていた」というニュースがありました。
その授業を受けていた生徒は「補習」を受けなければならないそうです。
「補習受けなきゃダメなの！」
未履修問題を思い出します。
今日は、教員免許更新制について書きます。
教員免許更新制の始まり
教員免許更新制は30年以上前から議論されてきたようです。
それが具体的になってきたのが学力低下や教員の質が話題になった2000年頃です。
そして平成19年（2007年）6月の改正教育職員免許法の成立により平成21年（2009年）4月1日から導入されました。
「えっ、更新制になるの！」
職場で話題になったことを記憶しています。
「俺、最初の年に当たっちゃったよ！」
「わたしはラッキーです！最後の年だ！」
などの会話がありました。
１０年ごとの更新なんですね。
「自動車の運転免許は３年なんだからまだマシだよ」
仕事で車を使う人の声が聞こえてきそうです。
でも、現職の教員としては
「でもね・・・」
と言いたくなるんです。
現教員免許更新にはお金がかかるんです
車の運転免許と一緒にしないで欲しい
「車の運転免許と一緒にしないでよ」
というのが我々教員の気持ちです。
車の免許更新は、ゴールドであれば２時間程度で更新できます。
ゴールドでなくても半日あれば更新できます。
教員免許はというと
「３０時間以上の免許状更新講習を受講・修了した後、免許管理者（都道府県教育委員会）に申請する」
必要があります。
半日どころでは何ですよね。
３０時間以上の講習ですよ！
高校の授業で換算してみると
週に１時間の授業を１年間受けるのとほぼ同じ時間
となります。
これをいつやるのかというと、夏休みなどの長期休業中などに行うわけです。
「カンベンしてよ」
というのが現場のホンネです。
そんなこともあり変形労働時間制導入という考えにも疑問を感じるわけです。
話が少しそれてしまいますが、変形労働時間制の考えは
「夏休みは教員のみなさんヒマでしょ！」
という考え方です。
「免許更新だって10年に１回でしょ」
ということなんででしょうが、現実をもっと知って欲しいです。
更新にはお金がかかるんです
更新にかかるお金だって馬鹿になりません。
それはそうですよね。
３０時間以上も講習を受けるわけですから。
運転免許の場合は優良運転者で3,000円、違反・初回運転者でも3,850円です。
教員免許更新は全国一律では無く、様々な場合が考えられます。
わたしは放送大学を利用しました。
自宅のパソコンで受講し、試験を１日かけて受けてきました。
放送大学の料金は１科目6時間で6,000円です。
つまり最低でも３万円はかかるわけです。
金額だけでなく、受講するための時間も負担感として大きいです。
では、教員免許更新の目的とは何でしょうか。
教員免許更新の目的とは
文部科学省によると
「教員免許更新制は、その時々で求められる教員として必要な資質能力が保持されるよう、定期的に最新の知識技能を身に付けることで、教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得ることを目指すものです。
※ 不適格教員の排除を目的としたものではありません。」
ということです。
「最新の知識を身に付ける」ということが目的なのだそうです。
確かに現場において
「教員なのにそんなこと知らないの？」
と感じることがあることも事実です。
否定はしません。
でも、都道府県で実施している教育課程に関する講習会で十分だと思います。
現在、約１０年に１度は指導要領が改定になります。
そのタイミングで最新の教育事情について講習を受ければ目的は果たせるのではないでしょうか。
３０時間以上もの時間と数万円のお金をかけてやらなければならない理由がわかりません。
教員免許更新制度は廃止にできないのか
教員免許更新制が始まってかれこれ10年になります。
時間とお金というコストを掛けるほどの成果があがっているとは考えられません。
廃止にできない理由があるのでしょうか？
もしかしたらビジネスになっているのではないかと考えてしまいます。
わたしは放送大学を利用しましたが、更新の講習は大学で行う講座も多くあります。
もしかしたら大学の収入源になっているのかな？
なんて考えてしまいます。
先日の免許更新手続きを忘れ、免許が失効した教員の授業を受けた生徒が補習を受けなくてはならないというニュースについては、当該教員が悪いといえばそれまでです。
生徒達は本当に迷惑でしょう。
しかし、教員免許更新制を廃止してほしいと考えます。
みなさんいかがでしょうか。
