今年度から『学び合い』を始めました。きっかけはもちろん西川純先生の本を読んだことです。生徒や保護者そして何より周囲の仲間からの苦情をある程度覚悟してのスタートでした。予想に反し、生徒からの反応もよく、管理職も積極的に授業を参観に来るようになりました。
定期考査ごとに行った生徒からの『学び合い』の授業に対するアンケートは8割以上が肯定的に捉えており、当初の私の予想を超えた良い反応でした。一方、一斉授業を望む生徒も一定数いました。人と関わりたくないという理由も多いにありますが、この生徒群は2通りに分けることができます。
まず一つの生徒群は真面目で大人しく、比較的成績の良い生徒です。一斉授業において自分の力で理解できるので、友人に教えてもらわなくても成立します。自分のペースでどんどん学習できるので、教えあう時間があるのならば、一斉授業でより発展的な内容を知りたい考えると思われます。
もう一つの生徒群は、その教科に苦手意識を持っていて自分が分からないことをオープンにできない生徒達です。当然、『学び合い』は表面的なものになり、テストで自分の思うように点数をとることができず、その原因を『学び合い』の授業形態に起因するものであると考えたいのだと思われます。
前者の生徒群のうち、生徒のモチベーションを高める方法を見出すことに苦慮していました。停滞状態が続く中、私の指導する部活動のある生徒が『学び合い』の良さを理解してくれました。
きっかけは部活動中のミーティングでのことでした。生徒たちで進める企画に対し、複数の係を作り進めていました。生徒達は係ごとに自分達の役割を果たそうと一生懸命でした。しかし、係ごとに閉じてしまい連携がうまくいっていませんでした。そこで私が「授業での『学び合い』と同じように取り組んでみたら」と話すと表情が変わり「なるほど、そういうことか!」と納得していました。
『学び合い』が実生活に繋がった瞬間でした。
教科の知識の獲得は重要です。しかし、このような周囲と協力し課題を解決する手法を持っていることの方が、変化の激しい時代を生きていく上で必要な力ではないでしょうか。
この生徒は、来春から社会人になります。『学び合い』の授業を通し、社会で活躍できるように大きく成長して欲しいと願っています。
『学び合い』の授業を更にアップデートしていきたいと思います!